宝酒造が製造販売する全量芋焼酎「一刻者」(いっこもん)が、2021年9月4日で発売20周年を迎える。同社は、21年5月25日にオンライン上でブランド戦略発表会を開き、20周年以降の展開について説明した。
これまでに6700万本以上を売り上げ
南九州の言葉で「頑固者」を指す「一刻者」は、その名の通り頑固なまでに芋100%にこだわり、芋と芋麹のみを使って製造されてきた。宝酒造商品第三部長の清水隆広氏は、冒頭のあいさつで「本当においしい焼酎を届けたい」という思いのもと、6年の月日をかけて「芋麹」を開発したと話す。研究を重ね、口に入れると芋本来の甘い香りと、すっきりとした上品な味わいが広がる焼酎に仕上がった。
戦略発表会では、商品第一部蒸留酒課課長の高井晋理氏が20周年のブランド戦略について説明した。芋焼酎は、1990年代までは北九州を中心に飲まれてきたが、2003年頃から全国的に芋焼酎ブームが起きて需要は拡大した。一刻者は、このブームが起きる少し前の2001年に誕生し、これまでに6700万本以上を売り上げている。
そしてまもなく20年の節目を迎える。高井氏は、今後さらに進化していくために、今年は「共感」というキーワードのもと一刻者の魅力を発信していきたい、と語る。これまで続けてきた製造へのこだわりに加え、新たに同社が宮崎県の「日向 黒壁蔵」で製造する本格芋焼酎としての「ローカリゼーション」にも着目していくという。
さらに「20周年プロジェクト」と題し、一刻者の公式フェイスブック上にあるファンクラブからの情報発信や、21年9月からはオリジナルの景品が当たるキャンペーンも実施を予定している。高井氏はこうした取り組みから「新たなファンも増やしていきたい」と話した。
永瀬正敏氏「同じ宮崎でご縁を感じる」
20周年プロジェクトの一環として、「一刻者」の生産地と同じ宮崎県出身の俳優・永瀬正敏氏が同ブランドのアンバサダーに就任した。20周年にして、ブランドでは初のタレント起用だ。永瀬氏は同発表会に登壇し、アンバサダー就任について「とても光栄に思っています。同じ宮崎でご縁を感じますね」とコメントした。
永瀬氏は普段から酒はよく飲むようで、芋焼酎はロックが好みだという。新型コロナウイルスの影響もあり、最近は自宅でひとり晩酌しているそうだが、本当は仕事仲間と集まり飲むことが好きだと明かす。ただ、
「今の状況に打ち勝ったら、みんなで集まり、一刻者で乾杯したいです」
と、アンバサダーらしくにこやかに商品をアピールした。