コロナで苦境の飲食店を自治体が支援 町田市は「出前館」と提携、配達無料に

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   自治体がフードデリバリーサービスを促進し、新型コロナウイルスで苦境に陥った飲食業者を支援する動きが目立っている。飲食店での「密」を減らし、コロナの感染拡大を抑える狙いもある。

  • 宅配で、消費者にも飲食業者にもメリットが
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予算1億円

   東京都町田市は2021年6月1日から、フードデリバリーサービス会社「出前館」と連携し、消費者の配送料と飲食事業者の配達代行手数料を無料にする「デリバリー利用促進キャンペーン」を始める。

   市民が出前館のデリバリーサービスを利用して、市内の飲食店へ注文した場合の配送料が無料になり、飲食事業者は、出前館のデリバリーサービスを利用して注文を受けた際に生じる、配達代行手数料が実質無料になる。利用者と飲食店の両方にメリットがある。実施期間は8月31日までの予定。

   厳しい経営状況が続く市内飲食事業者を支援するとともに、「新しい生活様式」となった「デリバリー・テイクアウト」を促進するのが狙いだ。

   市は事前に、(1)「加盟している町田市内の飲食店舗が100店舗以上ある」、(2)「町田市内で1年以上配達代行を実施している」などの条件に合う配送業者に対して、キャンペーンへの応募を呼び掛けていた。

   予算は1億円。あわせて、デリバリー・テイクアウトを実施する市内飲食事業者に対して、デリバリーなどの導入や実施にかかる経費を支援するため、1 店舗あたり 5 万円を支給することにしている。かなり大掛かりなものだ。

飲食店の直接支援も

   「出前館」は自治体との連携に力を入れている。千葉市は、今年1月から2月にかけて、「出前館」の対象店舗が送料無料となる支援策を行った。

   ほかにも自治体によるデリバリー対応には様々なものがある。神戸市は昨年4月の段階で、飲食宅配代行「Uber Eats(ウーバーイーツ)」と連携協定を結び、飲食店が負担する費用の一部助成などを実施済みだ。

   自治体が、飲食店を直接支援するパターンもある。東京都江東区は昨年度に続いて今年度も、「テイクアウト・デリバリー応援事業補助金」を実施している。テイクアウト・デリバリーにともなう飲食店の「消費者還元策」や、容器代を上限10万円まで区が補助する。

   たとえば、700円相当のお弁当を、ワンコインランチとして500円で販売した場合は差額を区が負担する。あるいは「テイクアウト・デリバリーを1000円以上注文いただいた方に、200円相当のコロッケをサービス」という場合は、サービス品の金額を区が負担する。使い捨て弁当箱や、スープを提供する使い捨てのカップ、保冷剤や乾燥剤なども補助対象だ。

   東京都も昨年度、テイクアウト・デリバリーや移動販売などで売り上げを確保する取り組みに対し限度額100万円の助成制度をスタートさせた。新規に取り組むための車両費や印刷物・PR映像制作費、広告掲載費などが対象だ。

   ほかにも類似の支援策をしている自治体は少なくない。コロナ禍で都市部ではテイクアウトやフードデリバリーが目立つが、こうした自治体の支援策も促進剤になっている。

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