大型の環状列石遺跡が15か所
このリストを見ても、地元の人以外は、今一つピンとこない名前がほとんどだろう。そこで『環状列石ってなんだ――御所野遺跡と北海道・北東北の縄文遺跡群』(新泉社)を参考に、もう少し詳しく紹介しよう。
同書によれば、「北海道・北東北の縄文遺跡群」の特色のひとつが、巨大な環状列石なのだという。いわゆる「ストーンサークル」だ。
秋田・大湯の環状列石は、直径40メートルほどの環状に川原石が配列され、日時計のような形式で知られる。
岩手県北部の御所野遺跡は東西約500メートル、南北約120メートル。今から約5000年前から約4200年前まで約800年続いた縄文時代のムラの跡だという。ここでも環状列石が発見されている。
同書によると、北東北から北海道にかけて直径20メートル以上の環状列石遺跡が15あるそうだ。北東北が12、北海道が3。縄文時代は1万数千年も続いたと言われているが、環状列石は中期末から晩期にかけて出現したという。その中の主要なものが今回の遺跡群に含まれている。
北の縄文人は、なぜストーンサークルを生み出したのか。これまでは墓地説と祭祀場説がとなえられてきた。近年ではこれに加えて天体運行との関連や、環状集落説も加わっているそうだ。