2021年5月26日の夜に皆既月食が起こる。さらに26日の月は、1年のうち最も地球に近い満月「スーパームーン」だ。国立天文台(東京都三鷹市)公式サイトによれば、皆既食は20時9分に始まり、20時28分に終わる。
最も地球に近い満月の皆既月食を日本で観測できるのは、1997年9月以来だ。ただ、珍しいスーパームーンを見ようと思っても、天気が良いとは限らない。どうすればいいか。
皆既月食は南東に
プラネタリウムが併設されている区民ホール「なかのZERO」(東京都中野区)のユーチューブ動画によれば、今回の月食は南東の空の低い位置で起こる。観察するには、南東方向に建物などのない場所を探しておくと良いという。また、望遠鏡がなくとも、肉眼で十分楽しめるとのこと。
ただ、観察する上では天気も重要だ。26日の日本気象協会の予報では、福岡県や鹿児島県など、一部地域で降雨の可能性があるとされている。また東京都でも予報は曇だ。せっかくの皆既月食がきれいに見られない可能性もある。
一方で、一部の天文台や科学館では、各施設から見える月食のライブ配信をユーチューブ上などで行う。
札幌市青少年科学館、先述の国立天文台、京都産業大学神山天文台、明石市立天文科学館(兵庫県)た、群馬県立ぐんま天文台と、全国各地選択肢は様々だ。特に札幌市の26日夜の降水確率は0%とされる(日本気象協会)。運悪く住んでいる地域が天候に恵まれずとも、ライブ配信でも楽しめるわけだ。
大阪市立科学館も配信し、学芸員が解説などを行う。天気が良い場合には月食の映像も提供するほか、各地の天文台や科学館の月食中継の映像も紹介していくという。
さらに楽しむなら
ただ見る以外にも楽しみ方はある。国立天文台のウェブサイトでは、月食のスケッチ用紙をダウンロードできる。大阪市立科学館ウェブサイトは、用紙のプリントアウトを推奨している。どの時刻にどのように月が見えたかをスケッチしていくと、月食の進み具合を実感しやすくなるという。
皆既月食中の月は赤く光るが、実は色合いは毎回異なる。月の色を表現するスケッチも残しておくことで、将来また皆既月食を観察するときに、色の違いを実感できるとのことだ。
また皆既月食中の赤い月は、肉眼で感じるよりもカメラに写りにくい。スマートフォンなどで撮影する場合、露出や感度の設定を調整する必要があると解説している。