新型コロナウイルスのワクチン接種加速化の期待を担い、東京や大阪で「大規模接種センター」が稼働、高齢者の予約受付を進めている。ワクチンの種類について正式発表はないが、複数の大手紙は、米モデルナ製が使われる見込みだと伝えている。
現在、市区町村で高齢者に向けて接種が進められているワクチンは、米ファイザー製だ。ワクチン接種は計2回求められる。すでに1回目を受けた人が大規模接種センターも利用し、違うメーカーのものを接種する恐れはないか。
2回とも同じ種類のワクチン接種求める
2021年5月14日の定例会見で岸信夫防衛大臣は「大規模接種センターの予約システムを、極めて多数の市区町村の予約システムと連接して帳簿管理すること」が現実的でないと説明。加藤勝信官房長官も、利用者がセンターと自治体の両方で予約した場合、「重複の予約を排除できる仕組みにはなっていない」と17日午前の会見で話した。
防衛省の公式サイトは「既に市区町村で接種の予約をしている方は、自衛隊大規模接種センターの接種予約はしないでください」と呼びかける。自治体とセンターとで重複した場合は、どちらか一方の予約を取り消す必要がある。
厚生労働省の担当者に取材すると、ワクチン接種にあたっては1回目と2回目で同じ種類のワクチンで受けるように呼びかけている、自治体であれば2回目も自治体、大規模接種センターであれば2回目も同センターで受けるように、というわけだ。
2回とも同じ種類のワクチン接種を求めているのは、治験の結果を基に有効性や安全性の承認をしているためだ。治験では、違うメーカーのワクチンは用いられておらず、他社製ワクチンとの併用はそもそも想定されていない。
異なるメーカーのワクチンを併用した場合による影響については、世界各国で研究が行われているようだが、はっきりとした結論は認識していないと厚労省担当者。
「ワクチンを打つ前には、予診の段階で『1回目のワクチンを受けていますか』といった確認を必ず医師の方で行います」。こうした対策により、二重予約が起きた場合には「(二重予約者を)弾いていただくことになると思います」。