名誉棄損などで裁判に
事件に関連してデマ被害を受けたケースで有名なのは、2019年夏に起きた「常磐自動車あおり運転事件」だ。暴力を振るった男の車に同乗していた「ガラケー女」に間違われた女性が、ネットで袋叩きにあった。この女性は今年2月、『ネット社会と闘う ~ガラケー女と呼ばれて~』(リックテレコム刊)を出版している。
女性はこの事件で、すでにデマをSNSに投稿したとして愛知県の元豊田市議を提訴、東京地裁は名誉棄損を認め、33万円の賠償を元市議に命じているという。
誹謗中傷への対処が、抗議や訂正・削除・謝罪要求などで収まらないケースは増え続けている。間違った情報に基づくリツイートなども、裁判沙汰になり、名誉棄損などに問われる。
ネット犯罪に強いことで知られる弁護士は近年、『インターネットにおける誹謗中傷法的対策マニュアル(第3版)』(中央経済社)や、『サイト別 ネット中傷・炎上対応マニュアル 第3版』(弘文堂)などを出版、被害者の支援に熱心だ。
17年に起きた「東名高速あおり運転事件」では、ネットにデマを投稿した11人が特定され、示談に応じなかった8人に対して民事訴訟が起こされたという。