日本はなぜ「自己革新」がうまく働かないのか

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「人間は具体的な問題に直面して考え、対処するものだ」

   しかし、今の日本については、待鳥教授がいうように、「変化は改革を断念したところから生まれてくることはなく、現状維持でやり過ごせるほど日本の政治行政や社会経済が置かれた状況は甘くない。今後、日本が最も苦しい時期を乗り越えていくためにも、過去の改革の試みから学ぶべきこと、それを踏まえて取り組むべきことはなお多いのである」というべきだろう。

   元京都大学教授で国際政治学者の故高坂正堯については、『尖閣外交「1発逆転」はあるか 「現代の古典」に学ぶ『構想力』』など折に触れて紹介してきた。

   時事評論を大切にしていた高坂は、時事評論集『長い始まりの時代―外交感覚・3』(中央公論社 1995年)のまえがきで「人間は具体的な問題に直面して考え、対処するものだし、それ以上は、大体のところ望み難い」と断じていた。この高坂の言葉をこのコラムのしめくくりとしたい。

経済官庁 AK

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