日本はなぜ「自己革新」がうまく働かないのか

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マキアヴェッリやモンテーニュを再読

   明けない夜はないという。コロナ危機も永遠に続くわけではない。今回の経験を学習し、自己革新を続けていく地道な努力が求められよう。評者も、もうしばらく、自分の領域で取り組みを進めていきたい。

   将来、余裕ができたあかつきには、慌ただしいSNS時代だからこそ、紙の本のページをゆっくりとめくる贅沢を味わいたいものだ。「公務員」の大先輩にあたる、マキアヴェッリやモンテーニュの著作をじっくり紐解いてみたい。マキアヴェッリについては、「マキアヴェッリの洞察に唸る 『権謀術数』論からの脱却」と題して、少し紹介したことがある。その『マキァヴェッリ全集 全7巻』(筑摩書房)やモンテーニュの『エセ―(随想録)』、加えて敬愛する堀田善衛の手になるモンテーニュの評伝『ミシェル 城館の人』は、未読のまま評者の自宅の本棚におさまっている。

   モンテーニュへの身近な入門書として、『モンテーニュ 人生を旅するための7章』(宮下志朗著 岩波書店 2019年7月)がある。『エセ―』の新しい全訳を行った著者の軽快な筆さばきが快い1冊だ。モンテーニュは、フランスを二分した16世紀後半の宗教戦争の中で、実務にも携わりつつ、さまざま思索を深めた。モンテーニュの生きた時代は、本当に悲惨な内乱の時代であり、それを踏まえて、モンテーニュは、「世直し」には否定的だったという。

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