グレナディアガーズの不安とは
カスヨ グレナディアガーズは確かに強いわね。朝日杯もレコードで勝っているし、年明け初戦のファルコンステークスでもハイペースのレースをルークズネストの2着だったわ。あまり弱点がないんだけど、これだけスピードとスタミナをもつ馬がそろうとダントツという存在でもなくなるわね。まあ、年明け2走目だから上積みはあると思うけどね。
ガジュマル爺 わしはグレナディアガーズについては左回りコースという点が疑問なんじゃ。デビュー戦が新潟で2着、次が中京で4着、3戦目の右回りの阪神でやっと勝っておるわけなんじゃ。前走も中京で2着じゃったし。それとデビューから1400、1600メートルを交互に走ってきて、スピードは十分なんじゃが、2000メートルの皐月賞には目もくれずにここに照準じゃ。つまり1600メートル超を走ってないからスタミナの点も少々怪しいんじゃ。まあ、そういうことで今回は3番手かな、と考えたわけじゃ。
カス丸 ふーん、そういわれると確かにそうかもしれないきゃすう。ところで、NHKマイルは過去5年間、3着以内に9~14番人気の馬が来てるじぇい。去年は9番人気のラウダシオンが勝っているし、なんだか荒れるマイルという感じきゃすう。
ガジュマル爺 それはじゃな、出走馬の力が均衡しておるからじゃ。この前の春の天皇賞みたいな長距離レースになれば、力の差がレースに出やすいんじゃが、マイルというレースはちょっとしたことで順位が入れ替わってしまうんじゃ。今年も伏兵がたくさんおるぞ。とりあえずわしは3頭あげておくが。まずは逃げ候補の一角、バスラットレオンじゃ。前走のニュージーランドトロフィー(NZT、GII、中山、1600メートル)を逃げて圧勝。待望の重賞ウィナーの仲間入りをしたばかりじゃ。昨冬の朝日杯ではグレナディアガーズの4着で、もともと力がある馬じゃ。この馬も勝ったときは逃げたときで、内枠に入ったからピクシーナイトに負けずに逃げるじゃろ。この馬の逃げる力はバカにはできんぞ。 次に距離短縮組のヴェイルネビュラじゃ。デビュー戦が1800メートル、次が2000メートル。前走が皐月賞トライアル、スプリングステークス(GII、中山1800メートル)で5着。重馬場で位置取りがやや後ろだったことが敗因じゃな。父が短距離王のロードカナロアであることを考えれば、1600メートルぐらいの距離がいいはずじゃ。戸崎圭太騎手が引き続き手綱を取り、一発を狙うということじゃ。 最後の1頭は差し馬のソングラインじゃ。牝馬じゃが、このレースと牝馬は相性が悪くないんじゃ。桜花賞では惨敗じゃったが、東京競馬場の1600メートルが2戦目の未勝利戦で2着(トーセンメラニー)に3馬身差をつけて圧勝じゃった。末脚の鋭さがウリで、左回りが得意ときておる。鞍上は前走に続き、GIレースに乗らせると怖い池添謙一騎手とくれば、一発の魅力は十分のはずじゃ。
カスヨ わたしはまずタイムトゥヘヴンよ。前走のNZTは不利な外枠からの競馬で、終始外を回っての競馬だったわ。それでも2着だったんだからタイム差ほど悲観する内容じゃなかったわね。このレース連覇中の鞍上、デムーロちゃん(ミルコ・デムーロ騎手)の手腕にも期待だわ。もう一頭は、やっぱりこの馬を忘れちゃダメってやつよ。ランドオブリバティね。暮れのホープフルステークスで、4コーナーで逸走して以降、きさらぎ3着、スプリングS7着と物足りない成績が続いているんだけど、騎手が逸走してからおっかなびっくりで乗ってるのよね。本来、クラシック候補といわれた通り、底力があるんだからね。今回は鞍上も交替し、かつ逸走の原因が長すぎた距離にあると思われるから、距離短縮は歓迎のはずよ。近走の成績から人気を落とすことが考えられるし、馬券妙味は一番よ。
カス丸 うーむ、毎年、このレースは悩むじぇい。でも、どんなレースでも安定感があって、先行できる馬から選ぶとなるとグレナディアガーズが本命◎きゃすう。