「産み控え」も定着
ちなみに昨年の出生数は速報値で過去最低の87万2683人。出生率は、前年に比べて2.9%減。今年に入ってからも、1月はなんと14.6%減。2000年以降で最大の減少率となった。2月も10.3%と二桁の減少が続いている。コロナ禍の「産み控え」が数字としてはっきり出てきたといえる。昨年の婚姻数の減少を考えると、しばらくは出生数が増えないと思われる。
読売新聞によると、すでに21年の出生数について、複数の民間調査研究機関が80万人を割り込むとの試算を公表しているという。
日本の出生数のピークは第1次ベビーブーム(1947~49年)のころの約270万人。それに比べると3割程度に落ち込む。
婚姻数や出生数の減少は直接、住宅や家具、家電需要などの消費経済全般に影響する。急激な少子化は高校、大学などの受験にも関係し、将来的には労働人口の不足、現役世代が高齢者らを支える社会保障制度の弱体化にもつながりかねない。進行中の婚姻数や出生数の低下が一時的なものか、それとも継続するのか、注視する必要がありそうだ。