日本代表のための「実走」レース
日本からは、日本選手は五輪代表の男女計6人のうち、前田穂南(天満屋)、鈴木亜由子(日本郵政グループ)、一山麻緒(ワコール)、服部勇馬(トヨタ自動車)の4人が出場した。当初予定されていた中村匠吾(富士通)は体調不十分で欠場した。女子は一山が自己ベストの1時間8分28秒で優勝した。
選手は試走も兼ねているので、レース結果に一喜一憂はできない。女子3位の鈴木選手はレース後、「実際に走ってみなければわからない細かいアップダウンを確認できた」と成果を語っている。結果的に日本の代表選手のための「実走」レースとなった。
大会では大々的に「観戦自粛」が呼びかけられ、沿道の人出は通常のマラソンに比べれば少なかった。「本番の運営面を確認するテスト大会」ということであるなら、多数の観客がいた方が望ましかったはずだが、そうはならなかった。
毎日新聞によると、沿道では「五輪ムリ 現実見よ」と五輪開催に批判的なプラカードを掲げた人の姿も見られた。レースのテレビ中継では、沿道の女性が「オリンピック反対」と訴える声が聞かれた場面もあったという。同紙は「この状況下で本当に走っていていいのかと思うこともあった」という代表選手の複雑な胸のうちも伝えている。