カス丸 はーい、ぼくカス丸きゃすう。春たけなわ、春のGIもすっかり佳境だじぇい。今週はいよいよ春の天皇賞(2021年5月2日、阪神競馬場、芝3200メートル)きゃすう。GIでも距離がダントツに長いレースだじぇい。それにいつもは京都競馬場だけど、今年は京都が改修中なので阪神開催きゃすう。GI馬もたった2頭しかいないし、なんだか小粒ぞろいだけど、逆に激戦模様だから牝馬が68年ぶりに勝つかもしれないなんて結構盛り上がっているじぇい。カスヨ姉さんの本命◎はオーソリティきゃすう。牝馬じゃないじぇい。
京都と違う阪神3200メートルVに必要な条件
カスヨ そうよ。牝馬を選びたいところだけど、ともかく春の天皇賞は距離が長いでしょ。どうしてもスタミナ勝負になるから牡馬(オス)有利なのよ。アーモンドアイやクロノジェネシスにみるように、最近の日本競馬は牝馬が圧倒的に強くなっているんだけど、このGIだけはちょっと難しいんじゃないかしらね。それと今年は京都じゃなく阪神という点も注意がいるわね。まず京都だと外回りコースを1周半するんだけど、阪神は最初の1周目が外回り、2周目が内回りを使うという変則コースなのよね。ここがとっても大事なところで、先ず坂が大きく違うということね。京都だと向こう正面が長い上り坂になっていて、最後の直線は平らね。一方で阪神は向こう正面は平らで、その代わりゴール直前に2メートルの急坂があるわ。しかも1周目とゴール直前と2回通らないといけないわね。急坂だからスタミナだけじゃなくパワーも必要ということよ。違いの二つ目は、最後の直線の長さね。京都外回りは407メートルあるんだけど、阪神内回りは356メートルしかないわ。ここで何が言えるかというと、馬群の前のほうにいないと勝てないということね。京都でも先行馬有利といわれていたんだけど、今年は本当に前にいないと勝てないわ。距離が長いからどの馬もへとへとになって最後の直線に向かうわけだけど、そこで急坂が待ち構えているわけよ。となると、どんなに坂が得意な馬でも、坂で一気に抜き去るなんてとうていムリ。前にいて、とにかく踏ん張って坂を超えてゴールまで持ちこたえる、とういうレースになるわね。そこでわたしの本命◎オーソリティなんだけど、前走がダイヤモンドステークス(GIII、東京、3400メートル)で2着よ。なんと今回は距離短縮よ。スタミナは十分ね。それと東京コースの坂を2回登っているから、パワーもあるわね。最後は直線で1頭だけ早めに抜け出し、勝ったかと思ったんだけど最後はクビ差で抜かれてしまったわ。まあ勝ったも同然だったけどね。この時のレースの仕方が今回は活きてくると思うのよ。東京は坂を上がってからの直線が長いんだけど、今回は短いからね。そのままゴールまで粘れるわよ。
カス丸 ふーん、確かにほかの馬は、今回は距離延長になるのに珍しいきゃすう。でも大外枠に入ったのが痛いかも、だじぇい。ガジュマル爺の本命◎はワールドプレミアきゃすう。2年前の菊花賞馬だじぇい。長距離の代表選手きゃすう。
ガジュマル爺 そうなんじゃが、オーソリティとは逆にこの馬は1番内枠、1枠1番に入ってしもうた。差し馬じゃから、もう少し外がよかったんじゃが、仕方がないかのう。ともかく、この馬は日本を代表するステイヤー(長距離得意馬)じゃ。ワールドプレミアが勝った菊花賞と春の天皇賞とは相性がいいんじゃ。京都じゃろうが、阪神であろうが、コースは違っても長距離レースに強い馬が勝つはずじゃ。これまで10戦3勝2着1回3着4回じゃ。馬券を外したのは、昨秋のジャパンカップと有馬記念だけじゃ。やはりこの馬にとっては、2400、2500メートルあたりは短すぎるんじゃろ。類まれなスタミナで最後は差してくるはずじゃ。
カス丸 ふーん、でも古馬(4歳以上)になってから馬券をはずしてるというのは成長がいまいち、とも言えるじぇい。カスヨさんの対抗はワールドプレミアで、爺の対抗はディープボンドきゃすう。トライアルの阪神大賞典(GII、阪神、3000メートル)を勝った馬だじぇい。
ガジュマル爺 週末の天気がいまいちということで、こっちを本命にするか迷ったんじゃが、調子がいいという点からすると、このディープボンドが1番じゃろ。阪神大賞典では雨が降って重馬場だったんじゃが、2着のユーキャンスマイルに5馬身差をつける圧勝じゃ。1番人気のアリストテレスなんかは脚がもつれて馬群に沈んでしもうた。今度も道悪になったら最有力の馬のはずじゃ。父親がキズナで2013年のダービー馬じゃ。父は天皇賞(春)では14年が4着、15年は7着といずれも1番人気を裏切ったんじゃ。その父の雪辱を今年息子が晴らす、ということじゃな。
カス丸 ふーん、馬のドラマもたくさんあるきゃすう。ところで、牝馬が一向に出てこないじぇい。爺がカレンブーケドールが3番手の単穴▲だけど、勝つのは難しいきゃすう?