新型コロナウイルスの感染状況や緊急事態宣言を受けて、封切り間近だった映画の公開延期が相次いでいる。宣言期間の2021年4月25日から5月11日に公開を予定していた作品が中心だ。
近日公開予定の話題作のひとつに、人気漫画「100日後に死ぬワニ」を原作とした「100日間生きたワニ」がある。5月28日に公開を予定しているが、もし宣言が延長となったら――。
実写映画も続々延期
「映画クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園」は、2021年4月23日に公開を予定していた。宣言発令直前の4月22日、新型コロナウイルスの感染状況をふまえて延期を発表した。スタジオジブリ作品の「アーヤと魔女」も29日公開予定だったが、感染状況を鑑みて延期を決定している。
さらに5月7日公開を予定していた「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」や5月8日予定だった「劇場版Fate/Grand Order -神聖円卓領域キャメロット- 後編Paladin; Agateram」も、それぞれ延期だ。
実写映画でも、4月29日公開予定だった「映画 賭ケグルイ 絶体絶命ロシアンルーレット」「くれなずめ」「劇場版 ポリス×戦士 ラブパトリーナ!」が延期となっている。
新たな日程は未定としている作品が多いが、「閃光のハサウェイ」は5月21日に、「劇場版Fate」は15日公開を発表している。いずれも緊急事態宣言が終了する予定の5月11日より後だ。
一方、「100日間生きたワニ」はもともと5月28日公開予定で、4月27日現在、延期の発表はない。4月26日には、予告編動画をユーチューブ上に公開した。
ただ、緊急事態宣言が2週間で終了するとは限らない。
「2回目」は東京で1か月半延長
新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は4月23日、最も深刻な感染状況である「ステージ4」から「ステージ3」に改善されなければ宣言の延長もあり得ると国会で説明した。
1回目の緊急事態宣言は2020年4月7日に発令され、当初は同年5月6日までを期間として予定していた。ところが感染状況を受けて延長。東京・神奈川・埼玉・千葉で解除されたのは5月25日になってのことだった。
2回目の緊急事態宣言は21年1月8日、東京など1都3県に発令。その後大阪、京都、兵庫、愛知、岐阜、福岡、栃木に対象地域が拡大した。予定は2月7日までだったが、解除したのは栃木のみ。東京などは2度の延長を経て3月21日にようやく解除された。本来の予定から約1か月半長引いた。
2回目の緊急事態宣言が続く中、21年3月8日に映画「シン・エヴァンゲリオン」が公開された。ただ、この時は映画館への休業要請は出されていなかった。一方で今回は、4都府県の「TOHOシネマズ」といった映画館が営業を休止している。宣言が延長に至った場合、状況は不透明だ。
映画の公開延期が続出する中、ツイッターでは「100ワニ」には延期しないでほしいと願う声が一部ある。