スーパーマーケットなどで販売される飲料で最近、よく見かける500ミリリットルサイズのほかに、600ミリリットル前後の飲み物が増えてきているという。
炭酸飲料やお茶と、増量した新商品を投入したメーカーに取材した。
増量で売り上げ好調
サントリー食品インターナショナルの広報によると、同社の「ペプシ ジャパンコーラ」と「ペプシ ジャパンコーラゼロ」の容量はリニューアルに伴い、内容量が490ミリリットルから600ミリリットルに増えた。
リニューアルは2021年3月30日で、増量前後で希望小売価格は140円(税別、以下同)のままだ。新型コロナウイルス禍以降で節約意識が高まる中、よりコストパフォーマンスのよい商品が求められていることをふまえ、増量した。
また広報は、お茶飲料など、他のカテゴリーでも600ミリリットル程度の容量の飲料が増えてきており、こうした市場の動向も参考にしたと続けた。
増量後の売り上げは、リニューアル前4週の平均と、リニューアル後2週の平均を比較したところ、「ペプシ ジャパンコーラ」が2.1倍、「ペプシ ジャパンコーラゼロ」が1.6倍(サントリー推計)となっているとのことだ。
麦茶も増量で「お得感」
他にも増量された飲料がある。「ポッカサッポロフード&ビバレッジ」の「伊達おいしい麦茶」(525ミリリットル)は21年2月22日から「伊達麦茶」に改名し、600ミリリットルで販売されている。124円という価格も据え置きだ。
増量の理由について同社広報は、まずは水分補給の手段として利用してもらいたいとの目的を挙げた。また21年は東日本大震災から10年で、被災地・宮城県への応援の意味をこめて、原料である宮城県産「六条大麦」の使用量を増やしたことも増量の背景にあるとした。
日本コカ・コーラからは21年4月26日に「やかんの麦茶」が発売されるが、こちらには525ミリリットルのほかに600ミリリットルや650ミリリットルのサイズが用意されている。
日本コカ・コーラ広報によると、こちらも水分補給を目的としている飲料であることから、500ミリリットル以上のサイズを主流としている。また、麦茶市場は2010年から急速に成長していると説明した。麦茶飲料の増量に伴い「お得感が消費者に支持された」ことが成長の一因として考えられるという。