日本の4月は新年度、新しいことを始める人が多い季節です。自分は何に向いているのだろうか、将来何になるのだろうか?という疑問を持ちながら、多くの人がとりあえず目の前の課題をこなしていく・・・そんなところが日常の風景ではないでしょうか。
クラシック音楽史は「神童」だらけ
先週とりあげたモーツァルトは、神童として名高く、5歳で作曲をはじめ、6歳でマリア・テレジアの御前でチェンバロ演奏を披露したりして活躍しました。父が音楽家で息子の才能をいち早く見抜いていたため、ごく小さい頃から英才教育を施したからです。
クラシック音楽史の中で、「神童」として記憶されている人たち・・モーツァルトはもちろんその筆頭で、他にメンデルスゾーンや、サン=サーンスが挙げられますが・・・は、いずれも、音楽の早期教育を、それも良質なものを受けており、環境に恵まれた例ということができると思います。
今日は、逆に、大変高名な作曲家になったのに、早期教育と縁がなかった人物をとりあげましょう。全盛期には、かのベートーヴェンを凌ぐ名声を獲得し、彼も実力を認めざるを得なかったイタリア人、ジョアッキーノ・ロッシーニです。