茨木のり子に感銘し読み返す

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「対話」を常に自分に課す

   茨木のベストセラーの詩集『倚りかからず』(筑摩書房 1999年)にある「あのひとの棲む国」は、友人の韓国の詩人を想って詠まれた詩だが、その一節に「雪崩のような報道も ありきたりの統計も/鵜呑みにはしない/じぶんなりの調整が可能である/地球のあちらこちらでこういうことは起こっているだろう/それぞれの硬直した政府なんか置き去りにして/一人と一人のつきあいが/小さなつむじ風となって」とある。

   金氏は、「自己理解から始まる他者理解の実践のために、自分が属しているこの社会をより大きな視野に入れて考えようする際、隣国との関係は欠かせないものである」という考えが茨木にあったとする。

   最近のSNSをめぐる殺伐とした出来事に接するにつけ、後藤正治氏がいう「たとえ立ちすくむことはあったとしても、崩れることはなかった」茨木のり子の、「対話」を常に自分に課した姿勢にますます魅かれている。

経済官庁 AK

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