よくわからないまま「公開」すると...
例えば、ツール内の情報を共有したいと考えている相手から「閲覧ができない」と言われた場合、詳しくないユーザーは相手が閲覧できるようになるまで試行錯誤する。
「(使い方が)わかっている人だったら相手にしか見えないように設定ができる。一方、よくわからないまま『公開』を押してしまうと、相手には見えるけど、全世界からも見えるという状態になってしまう」(上原教授)
今回のトラブルも、利用者にこのような運用ミスがあったのではないかと推測する。情報の漏えいに注意しながら運用する上で、「この手のものを使うには、最低限の知識が必要」とした。
個人情報が漏れてしまった人は対処法として、まず検索結果の削除要求を検索エンジンに申し立てられる。ただ、エンジン側に事情や経緯を説明する必要があり、すぐに削除されるわけではない。また、検索結果から消えた後も、いたずらによって個人情報が掲示板などに拡散され続けるケースがあり、「イタチごっこになりかねない」と上原教授は指摘した。
ほかに、個人情報に関する相談を請け負う弁護士への依頼や、情報の漏えいを人権侵害として問題視する人権団体への依頼といった手段を挙げた。ただ、「漏れた情報を消すのはなかなか難しい」。