世界陸上で入賞したこともある元マラソンランナー、原裕美子さん(39)が「私が欲しかったもの』(双葉社)を出版した。といっても、アスリートとしての栄光をつづったものではない。体重管理に悩み、摂食障害、そして食べたい誘惑を断ち切れず、万引きで何度も逮捕された壮絶な過去を赤裸々に綴っている。
日本のトップランナーの一人
原さんは高校時代から長距離選手として活躍、2000年に京セラに入社し、女子陸上部に。05年、名古屋国際女子マラソンに出場し、初マラソン初優勝。同年、世界陸上女子マラソン6位入賞。07年、大阪国際女子マラソンでも優勝。2大会連続で世界陸上出場を果たし、08年の北京五輪女子マラソンの有力候補でもあった。
10年、小出義雄監督が指揮を執るユニバーサルエンターテインメントに移り、北海道マラソンに優勝するなど、一時期は日本のトップランナーの一人だった。
その後、現役を離れ、市民ランナーとなっていたが、実は京セラに入ってから厳しい体重管理と減量指導、食事制限のなかで摂食障害に苦しんでいた。食べては吐くことの繰り返し。そして、吐くための食べ物を手に入れるために、ひそかに万引きに手を染めるようになっていた。