■高松宮記念「カス丸の競馬GI大予想」
 レシステンシアは勝てるのか?

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   カス丸 はーい、ぼくカス丸きゃすう。サクラが咲いて春爛漫だじぇい。人間さまは相変わらず花見自粛だけど、われわれイヌ族は関係ないきゃすう。待ちに待った春のGIシリーズが始まるし、存分に楽しむじぇい。まずは高松宮記念(2021年3月28日、中京競馬場、芝1200メートル)。人間様でいえば、陸上100メートルの短距離王者決定戦きゃすう。去年秋のスプリント王、グランアレグリアが次週の大阪杯に出るため欠場だけど、超一流のスプリント馬たちが集結したじぇい。どれが勝つか、さっぱり分からないきゃすう。 カスヨ姉さんの本命◎はインディチャンプだじぇい。マイル戦のイメージが強いけど、大丈夫きゃすう?

レシステンシアのスピードは通用する

   カスヨ 今年の高松宮記念は、従来の旧勢力と新規参入組との争いね。これまでスプリント戦を戦ってきたダノンスマッシュ、モズスーパーフレア、セイウンコウセイたちが一方にいるのに対して、スプリント戦が初めてのレシステンシア、インディチャンプ、マルターズディオサといった面々が挑戦してきた、という構図ね。マイル(1600メートル)や1400メートルが得意だった馬たちがいきなり1200メートルを走れるかどうか、が焦点ね。どこが違うかといえば、スタートから一気にトップスピードに乗っていくのが1200メートル戦なのね。だから、この速さに普通はついていけないわけ。去年秋のスプリント王のグランアレグリアも長い方の距離を走ってきていたから、前半はどうしても後方になってしまったわね。でも、あの馬は類まれな末脚を持っているから勝てたけど、きちんと流れに乗れるかどうか。追走できるかを見究めないとね。インディチャンプは、今回も出場してるけど、妹にスプリント重賞2勝のアウィルアウェイがいるという血統なのね。だから1200メートルのスピードには対応できると考えられるわね。レース自体は、去年勝ったモズスーパーフレアと今回初のレシステンシアが逃げる展開になるだろうからハイペースになる可能性があって、差し馬や追い込み勢が有利になると思うわね。インディチャンプは国内では掲示板(5着以内)を外していない安定感も魅力だわ。

   カス丸 ふーん、新規参入組が強いきゃすう?爺もスプリント初のレシステンシアが本命◎だじぇい。

   ガジュマル爺 レシステンシアはとにかくスピードがある馬なんじゃ。前走の阪急杯(GIII、阪神1400メートル)では、1番人気に推されて、楽々と逃げ切り2着に2馬身差の圧勝じゃ。時計も速くて1分19秒2のレコードじゃ。この時の1200メートルの通過時間は推定で67秒4じゃ。高松宮記念は去年が雨だったから比較はできんが、一昨年は晴れの良馬場で1着が67秒3じゃ。その前年は同じ良馬場で68秒5じゃ。タイム面からみても、十二分に優勝争いができるというもんじゃ。今の中京競馬場は京都競馬場が改修中という事情があって、年明けから結構使われておる。2月の頭まで使った後、1か月だけ休んで3月半ばから再び使っておるから、どうしても馬場は荒れておるじゃろ。となると、荒れ馬場でも平気な体重のある馬が有利じゃ。レシステンシアは牝馬じゃが500キロを超える馬格のある馬じゃから大丈夫じゃろ。モズスーパーフレアがどうしても先頭を主張すれば、2番手でもレースができるからカスヨが言うようにとんでもなく速くはならんじゃろ。となれば、緩みなくトップスピードで走れるこの馬がますます有利になるわい。

   カス丸 ふーん、なんだか勝ちそうだじぇい。カスヨさんの対抗〇はラウダシオンきゃすう。NHKマイルカップ(GI、東京、1600メートル)でレシステンシアに勝った馬だじぇい。

   カスヨ ラウダシオンはレシステンシアと同じ4歳ね。1200メートルはデビュー当時に走っているから初めてじゃないんだけど、しばらくマイルが中心だったから新規参入組の一頭と数えていいかもしれないわね。NHKマイルを勝った後は勝利から見放されているんだけど、前走は1200メートル戦のシルクロードステークス(GIII、中京)を使って3着だったわ。さっきの爺の話でいえば、この時のタイムは68秒5だから、好タイムね。しかも今回と同じコースなので十分優勝争いに加われるわね。それに今回は、1度叩いた上積みも見込め、なおかつ前走と同じ斤量(負担重量)で出走できることもプラスに働くわ。鞍上はミルコちゃん(ミルコ・デムーロ騎手)だし、大舞台における強気な騎乗に期待するわ。

   カス丸 これも上位にきそうだじぇい。爺の対抗〇はマルターズディオサきゃすう。この馬も初のスプリント戦だけど、そんなにスピードがあったか疑問だじぇい。

   ガジュマル爺 マルターズディオサは確かに1600メートル前後が合いそうな馬なんじゃが、3歳時に桜花賞トライアルのチューリップ賞(GII、阪神、1600メートル)でレシステンシアに勝ったことがあるんじゃ。前走の阪神カップ(GII、阪神1400メートル)は3番手から抜け出す競馬で、2着に食い込んだ。この時の1200メートル通過タイムは推測で68秒5くらいじゃから、スプリント戦でも十分いけるじゃろ。鞍上が関東の若手トップクラスの田辺裕信騎手が乗り続けておることも買いの材料になるはずじゃ。

4年前は三連単450万が

   カス丸 高松宮記念は時々、2ケタ人気が馬券になるきゃすう。2年前は三連単450万円というトンデモ馬券が出たことがあるじぇい。今年はどうきゃすう?

   カスヨ まあ、展開次第で上位争いに来そうな馬はたくさんいるから、結構荒れるかもしれないわね。わたしの推しは先ずダノンファンタジーね。去年暮れの阪神カップでは圧勝だったんだけど、前走2月の阪急杯は5着。でもこれは出遅れが全て。最後はキチンと追い込んできているので能力は高いわね。2歳時の牝馬チャンピオンだから軽視はできないわね。 次にライトオンキューよ。前走は同舞台のシルクロードSで2着だったわ。さらに斤量は0.5キロ軽くなる点がプラス要素ね。最近は1200メートルを中心に使われてきており、今回はタイトルに手が届く最大のチャンスかもしれないわよ。週末、少し雨が降るみたいだから、少し馬場が緩めば得意舞台になるからいいかもよ。 最後に4年前のこのレースのチャンピオン、セイウンコウセイね。2年前には2着に食い込んでいて、この舞台だと力を発揮できるのね。8歳だから年齢的な衰えは仕方ないとしても、中京巧者であり、雨で時計がかかりそうな馬場になれば紐に入る可能性がでてくるわね。

   ガジュマル爺 この馬の名前を出さないと失礼になるじゃろ。ダノンスマッシュじゃ。前走の香港スプリント(シャンティ、1200メートル)で、6歳にして初のGI制覇を達成。スプリントGIでは、人気になっては惜敗が続いていただけに、ようやく念願が叶ったわけじゃ。その勢いで、国内GIの初勝利を決めたいところじゃ。誰もが実力は認めるところじゃが、今回はぶっつけ本番のローテーションに若干不安があるんじゃ。父がロードカナロアで、言わずと知れた1200メートルのスペシャリストじゃ。ダノンスマッシュは高松宮記念にはすでに2度出ておって、2019年が4着、20年が10着と前評判とはうらはらの結果続きじゃ。GI制覇後に「3度目の正直」を決めたいところじゃ。 次がサウンドキアラじゃ。1400メートルの新馬戦勝ちから、すべて1400~1600メートルばかりを使われてきて、GIは昨年のヴィクトリアマイル(東京1600メートル)の2着が最高じゃ。あのアーモンドアイには4馬身離されたが、マイルGI馬のノームコアには先着できたんじゃ。つまりGIに手が届きそうなところまで実力がついてきたということじゃ。前走の阪神カップも4着。ゆったりしたローテーションで臨むのはプラス。鞍上は牝馬3冠ジョッキーの松山弘平騎手で、今季も好調をキープしとる。初の1200メートルじゃが、一発を秘めた伏兵じゃ。 最後はアウィルアウェイじゃな。16戦中11戦が1200メートル戦。そのうち、昨年のシルクロードステークス勝ちを含む3勝3着3回。昨年のスプリンターズステークス(GI、中山1200メートル)では10番人気で、グランアレグリア、ダノンスマッシュの3着に入り、あっと言わせた。「短距離の差し馬」のことわざどおり、持ち味の33秒台の脚を発揮できれば、上位に食い込むことが可能じゃ。

   カス丸 うーむ、上位拮抗か大混戦か、難しいじぇい。ここは初GI達成で勢いに乗ってるダノンスマッシュが本命◎きゃすう。

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