デジタル行政は「オードリー・タン」に学ぼう

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台湾という民主国家の魅力

   本人、マイノリティに属しているからこそ提案できることがある、とされているが、デジタル・ガバメントを実現していくうえで、大切な示唆をいくつも与えてくれる。それを実現できる台湾という環境もすばらしいと思う。

   1億人の規模だと動きにくい、高齢社会ではデジタル・デバイドを生むといった日本人がよく使う理屈は言い訳に過ぎないんだろう。また、日本に親近感を抱いていることも伝わってくる。「ドラえもん」など日本のカルチャーに触れて育ち、隣国にあって、自然災害など同じ経験を重ねていることがその背景にあるとしている。自分自身、台湾への知識が乏しかったが、改めて台湾という民主国家の魅力を感じる。

   行政官としてだけではなく、同時に、本書に記されている生い立ちとデジタル担当政務委員に就任した経緯を見ると、政治・行政の中に身を置く目的と覚悟がある。将来、トップまで行くのだろうか。この面でも楽しみだ。

   我々にとっても、デジタル化やAIの活用は不可避であり、彼が実践しているように、社会課題の解決に活用できる手段である。これをどう国民サービスに活用していくか、日本の行政官に突き付けられた課題として正面から受け止めるいい機会となった。デジタルにはついていけない、と諦めるのではなく、まずは一読をお勧めしたい。

経済官庁 吉右衛門

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