日本人の食生活の持続可能性 保健福祉大学長「Jミルク」セミナーで語る

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持続可能で健康的な「ジャパン・ニュートリション」を世界へ

   肉や牛乳はタンパク質やビタミンの栄養源にもなるが、畜産の生産過程では、牛の「ゲップ」や排泄物により温室効果ガスが多く排出される。ただし、畜産を今後日本で制限していく必要はないと中村氏は語る。

   日本人が生活全体で排出するCFP(CO2に換算した温室効果ガスの排出量)のうち、肉類と牛乳・乳製品を含む畜産由来の割合は6.7%だ。これは欧米での生活に対する畜産由来のCFP割合の半分以下だという。その上、食事によって生み出される1人あたりの温室効果ガス排出量を比較すると、日本はG20諸国の中で2番目に排出量が少ない。

   中村氏によると、日本人は稲作を中心とした伝統的な食事を継承しつつ、明治以降に欧米の栄養学を導入。肉、卵、牛乳・乳製品など、栄養密度の高い食品や料理を取り入れ、持続可能で健康な食事を創造したのだという。

   魚介類、大豆、牛乳・乳製品を中心として肉類を適度に食べる日本食が、健康にも地球にも良いと中村氏は語る。「ジャパン・ニュートリション」と呼ばれる、こうした日本独自の栄養や経験が、栄養に関する議論のヒントになると考えているとのことだ。今後は世界の人々の健康や幸福のために「ジャパン・ニュートリション」を発信していくとした。

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