テレビアニメ「鬼滅の刃」全集中展(東京)が、2021年3月23日から松屋銀座8階イベントスクエアで始まった。入場券を販売する「ローソンチケット(以下、ローチケ)」サイトには、3月19日時点で完売し、「3月20日からの一般発売含め今後のチケットの発売予定はない」とある。
入場券を手に入れられず、「転売ヤーから買う」とツイートする人まで出ている。個人間のチケット取次ぎサービス「チケット流通センター」の公式サイトを見ると、全集中展のチケット取引数は163件(3月23日18時時点)。定価の数十倍と高額販売も見られる。
定価なら最高値でも3000円
全集中展のチケット価格は、ローチケによると以下の通り。
・前売り:一般1300円/高校生800円/中学生600円/小学生400円
・当日:一般1500円/高校生900円/中学生700円/小学生500円
・グッズ付入場券:前売り2800円(一般のみ)/当日3000円(一般のみ)
・音声ガイド引換券A/B:前売り・当日700円
最も高い「グッズ付入場券 当日」でも3000円。だが「チケット流通センター」で見つかる出品例には、「第一次抽選先行」で入手したという、グッズなしの一般チケット一枚で「4万円」の値がついているものがある。定価の実に30倍だ。
1万円以下で出品されているチケットは多くが「取引中」ないしは「取引完了」となっており、既に買い手がついている模様。残っているのは、ほぼ1万円以上。1万円でも、前売り一般チケットだとすれば約8倍だ。
フリマアプリ「メルカリ」にも強気な価格設定の出品例が。グッズなし、一般2枚、小学生2枚の計4枚で税込4万9999円だ。前売りチケットだとして、定価なら合計3400円。約14倍になる。
「鬼滅の刃」は新刊やグッズが発売されるたびに、転売が横行して話題になる。最近では、「マクドナルドの子ども向けメニュー「ハッピーセット」に「鬼滅の刃」のシールセットが登場し、やはり転売された。今回もツイッターには、なぜ転売する人が当選し、本当にイベントに行きたい人が落選してしまうのかと嘆く声が後を絶たない。
「事後通販」全商品とは限らない
メルカリには、全集中展の物販会場で購入できるA4クリアファイルや、アクリルチャームセットといったグッズの高額転売も見られる。会場では、1会計につき規定の数しか買えないように対策を行っているが、完全に防ぐのは難しいようだ。入場券なしに、物販会場には入れないため、出品例を見て悔しがるツイッターユーザーが多数いる。
全集中展公式サイトを見ると、グッズは「東京会場での開催終了後、事後通販を予定」しているが、「一部商品は事後通販で取り扱いがない場合がある」。同イベントは20年7月の大阪会場を皮切りに全国各地で開催され、今回の東京がラスト。各会場限定の「ご当地グッズ」が数多く展開されており、コレクション欲を刺激する取り組みだが、入場券をゲットする段階から競争倍率が高く、お目当てのグッズが事後通販で取り扱われるように願う人は少なくないだろう。
全集中展の東京会場の会期は4月5日まで。