今年の「夏祭り」はどうなるのか? 「お祭り業界」ピンチ続く...日本の伝統「消滅」リスクも

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一度消滅してしまった祭り「復活はほぼ不可能」

   玩具問屋からも悲鳴が上がっている。堀商店(愛知県名古屋市)の成瀬昭則さんによると、20年は全国各地で祭りやイベントが中止になった影響で「一般的に、祭りの最盛期である6月~8月(地域によっては秋の場合もある)の売上は、前年の約25%ほどしかありませんでした。祭りで定番のお面などの縁日系商材についても振るわず、例年の10%~15%ほどしか販売できていない」。同社代表すら経験したことがない危機的状況だと話す。

   取引のある露店商の中には、数名だが既に廃業した人がいるほか、21年も同じような状況が続けば「廃業するしかない」と漏らす人がいるという。イベントや祭りが中止になると、売上が「減る」のではなく「ゼロ」になる苦しみが伝わってくる。

   成瀬さんは「あまり考えたくないこと」としつつ、もし21年も各地で祭りが開催されなかった場合には「昨年も販売しましたが、家庭で楽しめる祭りグッズのラインアップを強化して、皆さんの意識から『お祭り』の灯が消えないよう訴求していく」と語る。

「祭りは人が集まって、ただわいわいするイベントではなく、地域の経済や観光業界に多大な影響を与えます。『去年も今年も中止だね』だけでは済まず、日本の文化として長年続いている伝統的な祭りなどが消滅してしまう可能性があります。一度消滅してしまった祭りは、復活させることがほぼ不可能です。一人でも多くの人に『お祭り業界がピンチ』だと認識してもらえたらと思います」
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