ここ数年、人気アニメの実写化がとまらない。「銀魂」、「ジョジョの奇妙な冒険」、「約束のネバーランド」をはじめ、2021年にはアニメ「トムとジェリー」の実写映画まで公開になる。
ただ、相次ぐ実写化の発表に、もううんざりだとため息交じりの声も。とくに人気の作品では、その世界観を壊してほしくないと感じる人が多い。では、最初に実写化され、後にアニメ化された作品の評判はどうか。調べてみると、意外にも「見てられない!」といった反応は少ないようだ――。
「時かけ」はアニメ、「のだめ」はドラマがすごかった
たとえば「時をかける少女」は、2006年のアニメ映画の評判が非常に良い。
もとは筒井康隆さんのSF小説で、1972年に「タイムトラベラー」(NHK)としてテレビドラマ化されたのが最初だ。83年には原田知世さん主演で実写映画化。その後、南野陽子さん(85年)、内田有紀さん(94年)、安倍なつみさん(02年)主演で何度もドラマ化されている。
アニメになったのはその後だが、「第31回報知映画賞特別賞」など、数々の賞を受賞した。スペインやフランスの国際映画祭にも出品され、人気は国外にまで及んだほど。ツイッターでも、一番好きなアニメ映画に同作を挙げる人が複数いたほか、原作もドラマもすべて見たうえで、アニメ版が好きだと主張する声もある。成功した例だといえよう。
次に「のだめカンタービレ」。二ノ宮知子さんの漫画で、初め06年10月にフジテレビの「月9」枠でドラマ化された。上野樹里さんと玉木宏さんが主演した。
アニメはドラマが終了したあと、07年1月から放送に。評判は悪くないようだ。この作品の肝となる本格的な音楽の演奏シーンは、アニメで描写するのが難しそう。しかし、同アニメは、演奏の場面も違和感なく見られると評価する声が、ツイッターやアニメの評価サイトの口コミに多数あった。
ただ、同作はドラマのほうが絶大な人気を誇る。放送当時、ファッション雑誌などでも特集が組まれ、「のだめフィーバー」となった。