伝統文化と少林寺拳法
小学一年生のリトミックからはじまり、学年があがるにつれて本格的な伝統芸能と武道を体得する授業が必修になっているのもこの学校の特色である。低学年の時に上級生の演技を観て憧れ、能舞台にあがる生徒もいる。ほとんどの生徒は、一生のうちのこの時期に伝統芸能の舞台にあがる稽古をすることに感謝の気持ちをもち芸能が好きになっていく。 秋の発表会では高校二年生が能を舞い下級生が太鼓、笛、地謡を演奏する。
少林寺拳法は2009年に着任した教諭が担当し、選択科目であるとともに部活動になっている。わずか15人の部だが2016年には中学生が日本一となった。少林寺拳法は自己鍛錬であると同時に仏教の精神を学ぶ修行でもある。自らと対話する時間を一日に二回持つ生徒たちは、憲法のエッセンスをおのずと体得していくのだろう。
この30年で、燈影学園は、一燈園のメンバーの学校から公の存在に生まれ変わった。入学者の動機で一番多いのは、兄や姉が楽しそうに過ごしているからだという。少子化の今日、12学年が一つの棟で学ぶ機会は、競争から共創への転換の象徴のように見える。より高度な学習を求める一部の子供たちはともかく、仲間と過ごすこと、知らない他人に挨拶して作務を申し出る勇気と誠実さを培うことは生きる力として大きな財産となる。このような初等中等教育のあり方を全国の教育現場の教職員、教育委員会の皆さんにもぜひご覧になっていただきたい。過疎地をはじめ、このような公立学校を希望する地域が出てくるのではないか。
ドラえもんの妻