さみしがり ジェーン・スーさんは「誰かに心を寄せてみては」と

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付き合いの河岸を変える

   さみしいと感じている人は、自分のことしか考えていない、だから友人関係から考え直す必要がある、という論旨だろう。たまには他人のことを思いやる。自分のことしか考えないと、「本当はさみしい自分」さえ認められず、他の関心を引こうと奇行に走ってしまう...この考察も概ね納得できるものだ。心理学の知見は別にして、経験的には分かる。

   人生の基本は、自分だけのワンマンショー。身勝手な思いを無償で満たしてくれるお人よしはそういない...悩める者に寄り添いながら突き放し、よろける相談者をまた抱きとめる、ジェーン流の指南術である。

   結語にある「人間関係の河岸を変える」という表現はユニークだ。惰性で続けてきた付き合いを根本から見直す、といった意味だろう。友人の「序列」や会う頻度をガラガラポンして、本当の親友(らしい知人)だけを残す...これはなかなか難しそうだ。

   かくなるうえは、ジェーンさんの友人リストを覗き見したくなる。

冨永 格

冨永格(とみなが・ただし)
コラムニスト。1956年、静岡生まれ。朝日新聞で経済部デスク、ブリュッセル支局長、パリ支局長などを歴任、2007年から6年間「天声人語」を担当した。欧州駐在の特別編集委員を経て退職。朝日カルチャーセンター「文章教室」の監修講師を務める。趣味は料理と街歩き、スポーツカーの運転。6速MTのやんちゃロータス乗り。

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