ECサイト「アマゾン」で売っている本が、最寄りの図書館に置いてあるかすぐにわかる――。そんなツールが2021年3月14日、ツイッターの一部で話題になった。ウェブブラウザ(ネット閲覧ソフト)「Google Chrome」向けの「その本、図書館にあります。」という外部ツールだ。
「Google Chrome」の拡張機能として導入することで、アマゾンで書籍のページを開いたときにすぐに図書館に蔵書されているかがわかる。
設定した図書館や近隣を自動検索
「Google Chrome」を利用していれば、拡張機能配信サービス「Chrome ウェブストア」からインストールすることができる。「その本、図書館にあります。」の公式サイトからも配信ページに入れる。
導入後、検索の対象とする図書館を2つ設定できる。都道府県と自治体から任意の図書館を選べば、準備完了だ。この後、アマゾンで本として出品されている商品を開けば、価格表示の下に「この本が図書館にあるか検索」という項目が出てくる。
検索は自動的に行われ、登録した図書館と、その近隣の図書館に商品の蔵書があるか表示してくれる。「貸出可」な場合、「予約する」というボタンを押すことで、その図書館のウェブサイトに移れる。
J-CASTトレンドはこの拡張機能が誕生した経緯について、15日に開発者の中島真洋さんに取材した。中島さんによると、ツールは2013年に配信開始。開発に至った理由は2つある。
第1には「Google Chrome」の拡張機能について、プログラミングの勉強を兼ねて何かツールを作りたいと考えていたとのこと。
第2は「本が好きなので」と語る中島さん。ある日、アマゾンで書籍のページを開いていたところ、「この状態で図書館を検索できたら良いのではないか」と思いつき、開発に至ったという。
今後については
このツールは外部の図書館蔵書検索サービス「カーリル」を経由し、アマゾンの商品を検索してくれるという仕組みだ。リリースから約8年が経過した今でも、不具合などが発生する度に更新を行っている。ただ、提供は趣味や勉強を兼ねたもので、収益は得ていないという。
現在の利用者は約5万人。今後も「その本、図書館にあります」の提供は続けていくと話す。そのモチベーションは、「Chrome ウェブストア」などに寄せられる「便利だ」といった利用者からの反響だ。中島さんは「(利用者からの)コメントはポジティブなものが多いので、たまに眺めると楽しい」と続けた。
今後はスマートフォン向けのアプリ版の開発も考えているとのことだ。