「故郷は遠きにありて思ふもの...?」 マニュエル・デ・ファリャの郷愁が生み出した名曲「スペインの庭の夜」

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   今年も日本列島は比較的暖かかったようで、東京ではほとんどまとまった降雪がなく、各地の桜の開花も「今までで一番早い」というような言葉とともに報告されそうです。

   今日は、クラシック音楽の本場ヨーロッパの中で、南にあって暖かい国、スペインの作品を取り上げましょう。

  • グラナダの世界遺産アルハンブラ宮殿の離宮、ヘネラリーフェの情景。噴水が印象的
    グラナダの世界遺産アルハンブラ宮殿の離宮、ヘネラリーフェの情景。噴水が印象的
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異国情緒を感じる素敵な曲

   スペインの作曲家、マニュエル・デ・ファリャの「スペインの庭の夜」です。

   本来のネーミングは「交響的印象:スペインの庭の夜」となっていますが、楽器編成はオーケストラと独奏ピアノとなっているので、編成だけからいうと一種の「ピアノ協奏曲」といえます。全部で3楽章からなり、それぞれ第1楽章.ヘネラリーフェにて 第2楽章.遠方の舞踏 第3楽章.コルドバの山の庭にて と名付けられています。

   第2楽章の場所はどこか明らかにされてはいませんが、第1楽章がグラナダのアルハンブラ宮殿の離宮、第3楽章がコルドバですから、全体として、我々外国人が「もっともスペインらしい」と感じる、南スペインのアンダルシア地方を舞台としていると思われます。

   スペインを一時期支配していたイスラームの文化がそこかしこに香るアンダルシア地方の異国情緒を感じる素敵な曲です。

本田聖嗣プロフィール
私立麻布中学・高校卒業後、東京藝術大学器楽科ピアノ専攻を卒業。在学中にパリ国立高等音楽院ピアノ科に合格、ピアノ科・室内楽科の両方でピルミエ・ プリを受賞して卒業し、フランス高等音楽家資格を取得。仏・伊などの数々の国際ピアノコンクールにおいて幾多の賞を受賞し、フランス及び東京を中心にソロ・室内楽の両面で活動を開始する。オクタヴィアレコードより発売した2枚目CDは「レコード芸術」誌にて準特選盤を獲得。演奏活動以外でも、ドラ マ・映画などの音楽の作曲・演奏を担当したり、NHK-FM「リサイタル・ノヴァ」や、インターネットクラシックラジオ「OTTAVA」のプレゼンターを務めるほか、テレビにも多数出演している。日本演奏連盟会員。

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