今年も日本列島は比較的暖かかったようで、東京ではほとんどまとまった降雪がなく、各地の桜の開花も「今までで一番早い」というような言葉とともに報告されそうです。
今日は、クラシック音楽の本場ヨーロッパの中で、南にあって暖かい国、スペインの作品を取り上げましょう。
異国情緒を感じる素敵な曲
スペインの作曲家、マニュエル・デ・ファリャの「スペインの庭の夜」です。
本来のネーミングは「交響的印象:スペインの庭の夜」となっていますが、楽器編成はオーケストラと独奏ピアノとなっているので、編成だけからいうと一種の「ピアノ協奏曲」といえます。全部で3楽章からなり、それぞれ第1楽章.ヘネラリーフェにて 第2楽章.遠方の舞踏 第3楽章.コルドバの山の庭にて と名付けられています。
第2楽章の場所はどこか明らかにされてはいませんが、第1楽章がグラナダのアルハンブラ宮殿の離宮、第3楽章がコルドバですから、全体として、我々外国人が「もっともスペインらしい」と感じる、南スペインのアンダルシア地方を舞台としていると思われます。
スペインを一時期支配していたイスラームの文化がそこかしこに香るアンダルシア地方の異国情緒を感じる素敵な曲です。