大きな自然災害に見舞われた際に「生理」が来てしまった。手元に生理用品がなく、手に入れるのは難しい...。
そうした状況でも、バッグにタオルハンカチやティッシュが入っていれば、簡易的な「生理ナプキン」を作ることができ、心身の安心に繋がる。東京都が発行する防災ブック「東京防災」にある手順で、試しに作ってみた。
材料揃えて10秒で即完成
タオルハンカチ(清潔な綿素材を使うのが良い)と、ティッシュペーパーを用意。まず、下着に合わせてタオルハンカチの両側を折り込む。
そのうえで、タオルハンカチの中にティッシュを入れる。ティッシュがない場合は、余り布でもよい。記者はバッグに常備しているポケットティッシュ(未開封・全6枚)を入れた。
一見あまり厚みがないように感じるが、実際に下着に敷いて履いてみると、市販の生理用ナプキンよりも装着感が強く、違和感はぬぐえない。タイトなデニムパンツなどを履いている場合はボコッと浮き上がって見えてしまうかもしれないが、衣服を汚してしまう不安からは解放される。
どの程度、吸水してくれるのか。ユニ・チャームの生理用品「ソフィ」の公式サイトに「正常とされる生理の日数は3~7日程度。1回の経血量は20~140ミリリットル」とあることを踏まえ、まず20ミリリットルの水を含ませてみた。簡易ナプキンの表面が濡れただけで、漏れている様子はない。さらに水30ミリリットルを加えてみると、ポケットティッシュ全体に濡れ感が出てきた。
タオル生地全体もじっとりと水分を含んだ感じになり、これ以上水を足すとポケットティッシュを貫通して裏側にまで漏れてしまいそうだ。経血量が多い場合は、もっとたくさんティッシュや余り布を中に入れれば、安心感が増すだろう。
ビニール袋を使う「手作りナプキン」
もう一つ、災害時に役立つ防災情報を発信する全日本防災計画協会が紹介している「手作りナプキン」の作り方を紹介する。
材料はタオルハンカチ2枚とビニール袋だ。ハンカチがなければ、Tシャツや大きめのタオルなどをハンカチサイズ(20~25センチ)に切って代用する。Tシャツは薄手なので、生地が3枚程度重なるようにする。
まず、ハンカチの1つを三つ折りにする。
ビニール袋を、三つ折りにしたハンカチと同じくらいの大きさに切る。
上記で切ったビニール袋を、もう一枚のタオルハンカチの真ん中に置き、ビニール袋を包むように三つ折りにする。経血が漏れないようにする狙いがあるという。
すると、このように三つ折りにした布が2セットできる。ビニールを中に入れて三つ折りした布を下側、もう一方を上側に重ねれば完成だ。
タオルハンカチを2枚重ねているので、下着に敷いて履くとかなり圧迫感がある。「東京防災」の簡易ナプキンよりも「着けている」感があり、服の上からも見てわかるほどだ。ただ、水50ミリリットルを加えた時の湿り具合は、こちらの方が弱いように感じた。「ティッシュはないが、ビニール袋を持っている」ときに被災した場合にも頼れそうだ。
災害はいつ、起こるかがわからない。せっかく「非常用持ち出し袋」に生理用品を入れていても、持ち出せない恐れがあるのだ。手持ちのアイテムを組み合わせて生理用品を作り、衣服を極力汚さないよう乗り切る方法を覚えておくと、役に立つだろう。