「福島産」の輸入規制 中国、韓国は10年経っても解除しない

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WTOで逆転敗訴

   さらに一因として挙げられるのが、世界貿易機関(WTO)の判決だ。日経新聞によると、日本政府は韓国による福島など8県産の水産物の輸入禁止は不当として、15年にWTOに提訴。第一審にあたるパネルは18年2月、輸入禁止は不当な差別として韓国に是正を勧告した。

   しかし、韓国はこの判決を不服として上訴し、19年4月11日、韓国の措置を妥当とする最終判決を下した。一審では日本の主張を認め、韓国に是正を求めていたが、日本の逆転敗訴となった。

   WTOの紛争処理は二審制のため「最終審」の判断。韓国政府はこの判決を「高く評価し歓迎する」という声明を発表。輸入規制が継続されることになったという。同紙によると、この判決は、輸入禁止措置の科学的見地からの正否はしないという立場だった。

   とはいえ、輸入禁止を続ける関係国に影響を与えたことが推定できる。

   もちろん規制緩和の動きもある。時事通信によると、中国は18年11月に新潟県産米に限って輸入を再開している。香港でも、規制の対象外であるコメや加工食品は好評だ。福島県産のモモのジュースは店頭に並べばすぐに売り切れる状態だという。

   シンガポールは昨年1月、停止していた福島県産食品の輸入を条件付きで解禁。放射性物質が基準値を下回っていることを示す検査報告書と産地証明が添付されるようになったことも安心感につながっているという。

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