東京電力福島第一原子力発電所の事故から10年。福島産などの食品についての風評被害は今も続いている。特に深刻なのが海外の反応だ。
日本の基準値は国際ルールの10倍厳しい
時事通信によると、事故後に輸入規制を導入したのは54か国・地域。10年間で大半は緩和・撤廃されたものの、依然として中国と香港、マカオ、台湾、韓国、米国が一部地域からの輸入を受け入れていない。いずれも農産物の主要な輸出先であり、全体への影響も大きいという。
NHKによると、震災後の2011年度に行われた最初の検査では、対象食品の中で基準値を超えたのは全体の3.4%。コメや野菜、果物、水産物など幅広い品目に及んだ。しかし、20年12月現在で基準値を超えたのは、一部のきのこや山菜類などで全体の0.025%まで減少している。
日本の基準値は国際的なルールと比べて10倍厳しい。基準値を超えると出荷が制限されるため、政府は十分に安全性が確保されているとしているにもかかわらず、なぜ「輸入停止」が続くのか。
一つには、日本国内でも「風評被害」が残っていることがある。NHKによると、消費者を対象にした調査では最近も、放射性物質を理由に福島県産の食品の購入をためらうとした人の割合は8.1%。調査を開始した8年前の半分以下まで下がったが、風評被害は今も続いている。