上限「1万人」は厳しい
コミックマーケット準備会がこのタイミングで「開催延期」の判断を下した理由は、直前で開催を断念して中止や延期することで、参加者・関係者に大きな影響を与えるリスクを避けたかったためだという。公式サイトには、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行下における同人誌即売会の開催ガイドライン」に基づいて開催準備を進めてきたものの、
「1日の来場者数(一般参加だけではなく、サークル参加、スタッフ参加その他全ての参加者が含まれます)の上限が1万人となった場合、準備を進めていた計画の想定範囲を大幅に逸脱しており、コミックマーケット99の開催を計画通り進めることが困難であるというのが実情」
と苦しい状況が書き表されている。
2月26日に内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室が出した「基本的対処方針に基づく催物の開催制限、施設の使用制限等に係る留意事項等について」で、緊急事態宣言解除後の経過措置期間(4月11日まで)として、イベント開催における収容人数の上限が「『5000人又は収容定員の50%のいずれか大きい方』または『1万人』のいずれか小さい方を上限」と定めている。
同準備会は、「1万人を収容人数の上限とする経過措置期間」がゴールデンウイークまで延長される可能性があるため、「現時点で開催延期を判断せざるをえない、という結論に断腸の思いで至った」と説明している。