原発事故の地元で「再生エネルギー」に挑戦 『魂の発電所 負けねど福島』出版

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   東日本大震災関連本が目立っているが、新たに東京新聞経済部長の池尾伸一さんが『魂の発電所 負けねど福島――オレたちの再エネ十年物語』(徳間書店)を刊行した。原発事故で住む場所と働く場を奪われ、地域のコミュニティや誇りさえも失いそうになりながらも、奮闘する人々を描く。

  • 『魂の発電所 負けねど福島』
    『魂の発電所 負けねど福島』
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「地域の電力づくり」に焦点

   「復興」に奮闘する被災地の姿は、多くのメディアが取り上げているが、本書がユニークなのは、「地域電力づくり」に焦点を合わせていることだ。

   福島原発の事故で奪われた日常を、地元福島が誇る豊かな自然の力による発電で取り戻そう――もはや原発ではなく、「再生可能エネルギー」による地産地消の電力会社づくりに挑戦する人々の物語だ。

   さまざまな人が集まった。放射能汚染で牛の肥育ができなくなった飯舘村の和牛農家。江戸時代から続く家業が風評で廃業に瀕した喜多方の造り酒屋当主。単身赴任先から妻の実家に帰省中に被災した外資系サラリーマン。元居酒屋店主、有機農家、温泉街の顔役、日本最奥にある出版社代表など、これまで電力会社とは縁もゆかりもなかった人々だ。

   彼らの小さな発電所は、大手電力に先駆けて「2050年温暖化ガスゼロ」実現という大きな希望を掲げる。しかし、様々な障壁にも直面する・・・。

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