日本の歴史学者が直面する「大問題」

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ヨーロッパとは違う「物差し」を見つける

   本書の最後に、川北氏は、日本の経済発展が停滞していることよりも「独自の『生活文化』確立こそがはるかに重要」といい、「ヨーロッパの近代の『物差し』とは違う『物差し』を見つけないかぎり、『アジアの勃興』はありえない」ともいう。

   「歴史の評価は何よりも、民衆の幸福感や満足度に置かれるべきものとすれば、18世紀のヴェネツィアや17世紀のオランダのように、従来の歴史家が最盛期と考えてきた時代が、すでに『衰退』したと言われるそれぞれの次の世紀に比べて、断然好ましい時代であったという証拠はまったくない」という。

   我々は、ヨーロッパを模範とする近代の経済発展の行き詰まりを直視し、自然と調和もとれたあたらしい価値観をいかに創出するという困難だが野心的な課題に引き続き直面しているのだ。日本の歴史学がそれに役立つものであってほしいと心から思う。

経済官庁 AK

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