ヤマトホールディングスが2021年4月1日から、企業のシンボルマークの「クロネコマーク」を変更する。
1957年の制定以来、64年間変えることなく使用されてきた。今回が初のデザイン変更となる。ツイッターには戸惑いの声も上がっている。
新デザインで変わった点は
親ネコが大切そうに子ネコを口にくわえて運ぶ、おなじみのイラスト。ヤマトの発表資料によると、このマークは「安心・丁寧」のシンボルとして、客から信頼が得られるよう、全社員で大切に育んできたという。
新デザインでは、ネコを囲む黄色の円が大きくなり、黒い線が無くなった。そのほか、親ネコのしっぽや耳の形などを微調整。ただ、親ネコが子ネコを運ぶ姿は変わらない。同社は変更を「日々重ねてきたサービスをさらに進化させていく意思の表明」としている。
ツイッターには「シンプルで好き!」、「カッコイイじゃん」と好感をもつ人がいる一方、「前の方が『運んでる感』があって良かったな」、「変えないでほしかった」との投稿も。長年親しまれてきただけに、戸惑いも大きいようだ。
アップル社のロゴは「ニュートン」
ヤマトに限らず、大手企業のロゴが変更された例は少なくない。
「iPhone」で知られる米アップルといえば、かじられたリンゴのマークが頭に浮かぶだろう。しかし1976年の創業当時、同社のロゴはニュートンがリンゴの木の下に座っているイラストだった。現在のシンプルなリンゴのロゴは、色合いなど細かな点が変更されつつも1977年から使われている。
コーヒーチェーン「スターバックス」は、1971年に米ワシントン州シアトルで誕生した。緑の人魚のイラストのイメージがあるが、最初、スターバックスのロゴは濃い目の茶色と白だった。緑は使われていなかったのだ。その後87年にリニューアルされ、人魚の背景は黒、外側の円に緑が採用された。92年には、中央の人魚のイラストが上半身のみに変わった。
現在の緑と白の、よりシンプルなものになったのは2011年。ただ、当時は批判の声も目立ったようだ。同年1月27日付けの「ITmediaビジネスオンライン」は、記事内で「米国本社Webサイトには、原稿を書いている1月23日現在で854ものコメントが寄せられている。ほぼ炎上である。『デザインが悪い』『好きじゃない』『クレイジーだ』といった否定意見ばかり」と報じている。10年後の現在では、すっかり定着した感がある。
そのほか、キヤノン、グーグル、楽天、味の素といった国内外の大手企業も、過去にロゴを刷新している。