「彼女が絹ごし豆腐で麻婆豆腐を作ってた......別れたほうがええか?」。普段、「木綿豆腐」で作った麻婆豆腐しか食べていないという人物が、インターネット掲示板で怒りを露わにした。すると「絹ごし豆腐」派から、絹ごしを使うとおいしいと声が上がり、「木綿VS絹ごし」の構図に。
記者が見た限り「絹ごし豆腐」派がやや優勢だ。「麻婆豆腐」には、どちらの豆腐を使うのがよいのか。「マーボといったら」のキャッチフレーズでおなじみの家庭用調味料「麻婆豆腐の素」の製造・販売を手がける、丸美屋食品工業(東京都杉並区)に取材した。
のどごし、口当たりの良さでは
「木綿と絹ごし、どちらを使って作ってもおいしいですが、おすすめなのは『絹ごし豆腐』です」
同社の広報宣伝室担当者はこう答えた。商品に付属している「トロミ粉」と絹ごしの相性が良く、「より、なめらかな『のどごし』が楽しめるため」だそう。公式サイトにある「麻婆豆腐の素」を使った麻婆豆腐の作り方紹介動画でも、絹ごしを使用している。
料理のプロの見解はどうか。山梨にある中華レストランのスタッフに話を聞いた。現在はメニューにないが、かつて麻婆豆腐を提供していた際は「口当たりの良さを重視して、絹ごし豆腐を使っていた」。予め「一口サイズに切って、熱湯でゆでておく」のがポイントだそうだ。下処理することで余分な水分が抜け、柔らかくなって味がしみ込みやすくなり、さらに煮崩れもしにくくなる。