鈴木健吾サングラス姿で快走、日本新記録 掛ける理由はファッション以外にも

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高橋尚子選手のスパートで注目

   サングラス姿で一躍注目されることになったマラソンランナーは、高橋尚子選手だ。2000年のシドニー五輪の女子マラソン。レースは後半、高橋選手とルーマニアのリディア・シモン選手の並走状態が続いたが、34キロ過ぎに高橋選手が掛けていたサングラスを沿道に投げ捨て一気にスパート、金メダルを獲得した。

   実況でアナウンサーは、「高橋選手は突然サングラスを外しました。高橋、サングラスを捨てた。これが勝負へのサインなのか」と、サングラスが重要な役割を果たすハイライトシーンを伝えた。この瞬間は、テレビカメラでしっかりとらえられていたこともあり、視聴者に強烈なインパクトを与えることになった。

   後日、高橋選手はTOKYO FM+などのインタビュ番組で、当時の状況を明かしている。サングラスを外したくなったが、2万円ぐらいする高価なものなので沿道に誰か知り合いがいないか、走りながら探していた、道の反対側の歩道に父親がいるのを見つけた、そのまま投げると、隣にいるシモン選手に当たって走路妨害になってしまうので、ちょっと前に出て投げた、その瞬間にシモン選手が離れているのが左目で確認できて、それでスパートしたという。ほんの1、2秒の判断だった。

   投げたことと、スパートのタイミングが偶然一致しただけで、計画的なものではなかったようだが、その後、サングラスを掛ける一流ランナーが増える。04年のアテネ五輪女子マラソンでも、金メダルの野口みずき選手はサングラス姿だった。

   市民ランナーも含めたサングラスの広がりについては、眼鏡業界も注目し、高橋選手が開発にかかわったことを売りにしたサングラスも販売されている。高橋さんは「サングラスをつけることで、気持ちを少し落ち着けることができる」などと効用と語っている。

   21年1月31日の大阪国際女子マラソンでも、1位の一山麻緒選手(ワコール)、2位の前田穂南選手(天満屋)はともにサングラスを掛けていた。3月14日に予定されている名古屋ウィメンズマラソン2021でも、サングラス姿の選手が競い合うことになりそうだ。

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