「イギリス組曲」は後づけ
「管弦楽組曲」は、現代では、小規模な室内オーケストラで演奏されますが、研究によると、バッハは更に小編成・・・ほとんど室内楽、といえるような編成を念頭に置いて書いたものと考えられています。
さらにさらに、「イギリス組曲」は、「バッハがあるイギリスの貴婦人のために書いた・・」という伝記作者の記述により、習慣的に呼ばれるようになっただけですし、「管弦楽組曲」も、バッハが与えたオリジナルの題名ではありません。イギリス組曲は「アルマンド」の前に「前奏曲」が特別に付け加えられていますし、管弦楽組曲も「アルマンド」の前に「序曲」が置かれていて、どうやらバッハは組曲全体を当時の慣習に従って「序曲」と呼んでいたらしい・・・ということまで分かっています。「管弦楽組曲」と後の人が呼んだために、小編成にせよオーケストラで演奏することが慣習となっていますが、バッハは「序曲」と言う名の「室内楽組曲」を書いたつもりだったのかもしれません。