「東日本大震災」は終わらない あれから10年、関連書の出版続く

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丹念な取材報告が目立つ

   ジャーナリストによるものでは、『災害特派員』(朝日新聞出版)がある。

   著者の三浦英之さんは朝日新聞記者。震災後に津波被災地の最前線へ「災害特派員」として入り、その後、「南三陸駐在」として現地に赴任。アフリカ特派員を経て再び福島に赴任している。

   これまでに『五色の虹 満州建国大学卒業生たちの戦後』で第13回開高健ノンフィクション賞、『牙――アフリカゾウの「密猟組織」を追って』で第25回小学館ノンフィクション大賞、『南三陸日記』で第25回平和・協同ジャーナリスト基金賞奨励賞、『日報隠蔽 南スーダンで自衛隊は何を見たのか』(布施祐仁氏との共著)で第18回石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞を受賞している気鋭の記者だ。昨秋には『白い土地 ルポ 福島 「帰還困難区域」とその周辺』(集英社クリエイティブ)も出版している。

   同じく昨年の出版では『ふくしま原発作業員日誌――イチエフの真実、9年間の記録』(朝日新聞出版)の評価が高い。著者の片山夏子さんは中日新聞東京本社(「東京新聞」)の記者。第42回講談社本田靖春ノンフィクション賞を受賞した。

   やはり東京新聞記者の著書では、榊原崇仁さんの『福島が沈黙した日――原発事故と甲状腺被ばく』(集英社新書)も注目されている。情報公開で入手した2万枚の資料をもとに、約50人の関係者に「被ばく」の真相を再取材している。

   3月には『被災地のジャーナリズム――東日本大震災10年 「寄り添う」の意味を求めて』(明石書店)も刊行される。著者の寺島英弥さんは元河北新報編集委員。これまでに多数の関連書を出版している。

   メディアの報道に関しては、『福島第1原発事故後10年 テレビは原発事故をどう報道したか――3・11の初動から「孤立・分断・差別」そして「復興」フェイクまで』(秀和システム)がある。著者の小田桐誠さんはフリージャーナリスト。

   様々な関係者による共同研究では、『福島原発事故10年検証委員会 民間事故調最終報告書』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。「民間事故調」による報告書だ。

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