「東日本大震災」は終わらない あれから10年、関連書の出版続く

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   東日本大震災から10年ということで、このところ関連書の出版が目立っている。学者やジャーナリストなどの意欲作が目白押しだ。長期の取材や研究に基づいたものが多い。震災が今も終わっていないことを伝えている。

  • 東日本大震災から間もなく10年(写真は2017年、岩手県陸前高田市「奇跡の一本松」)
    東日本大震災から間もなく10年(写真は2017年、岩手県陸前高田市「奇跡の一本松」)
  • 東日本大震災から間もなく10年(写真は2017年、岩手県陸前高田市「奇跡の一本松」)

32兆円の復興政策

   手に取りやすいものでは、『震災復興10年の総点検――創造的復興」に向けて』がある。岩波ブックレットだ。32兆円もの巨額をかけた復興政策の光と影を、防潮堤や住宅・まちづくりなどハードの側面と、生業や暮らしなどソフトの側面から多角的に検証している。

   岩波書店からは『総合検証 東日本大震災からの復興』も出ている。こちらは分厚い。いずれも有名な学者が中心になっている。

   『東日本大震災とこころのケア 被災地支援10年の軌跡』(日本評論社)は、災者のメンタルヘルス支援、いわゆる「こころのケア」がテーマ。10年間の取り組みを振り返っている。被災地の事情に詳しい前田正治・福島県立医科大学医学部災害こころの医学講座教授、八木淳子・岩手医科大学神経精神科学講座准教授らによる。

   『福島原発事故10年後のゆくえと新たな課題――復興を生き抜く』(合同フォレスト)は福島原発事故が住民や地域社会に及ぼした影響について記している。福島には予想もしなかった様相が展開し、事態は複雑化、新たな課題が生まれているという。著者の佐藤政男さんは、福島県出身。福島県立医科大学公害医学研究室助教授などを経て、現在、日本毒性学会生体金属部会長。

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