政府は新型コロナウイルス対策の一環で、2021年7月に開催予定の東京オリンピック・パラリンピックの際、海外からの観客に向けたアプリの開発を進めている。
名称は「オリンピック・パラリンピック観客等向けアプリ」(仮称・以下五輪アプリ)。2月17日の衆議院予算委員会での政府の説明によると、開発や保守などを含め、発生する金額は総額で約73億円。ここまで金額がかさむものなのだろうか。
「COCOA」開発費は約4億円
予算委での政府説明によると、これは海外から入国する観客の健康管理のために開発しているもの。入国前から出国後まで健康管理を行い、新型コロナウイルスの感染拡大防止を図る。
立憲民主党の尾辻かな子議員が提示した資料によると、運用にあたっては外務省の電子ビザに関するシステムや出入国在留管理庁の入管システム、厚生労働省の感染症情報管理支援システムといった外部のシステムとの連携が想定されている。
同じく政府が推進する接触通知アプリ「COCOA」は開発費が約4億円とされる。比較して五輪アプリが73億円もかかる理由について、平井卓也デジタル改革担当相は24日の記者会見で言及した。
開発には各システムとの連携や、日本語・英語・中国語といった多言語に対応する必要があり、COCOAとは比較できないとコメント。「必要な経費を合計した金額なんだろうと思います」とした。
また、各システムの構築や多言語対応に加え、そしてGDPR(EU一般データ保護規則・EU域内の個人データ保護を規定している)への対応を指して「このあたりにお金がかかっているというふうに思います」と見解を示した。