「墓穴」を掘った
『赤毛連盟』はコナン・ドイルのホームズ・シリーズの代表作として知られている。「赤毛連盟」という団体が、簡単な仕事をやってくれる人を募集。質屋の主人が応募して採用される。仕事は「大英百科事典の書写」だった・・・。実はそれが、大きな犯罪につながることを、主人は全く知らない、というストーリーだ。
2月20日の朝日新聞「天声人語」も、同じく『赤毛連盟』との類似を指摘。「名探偵ホームズに奇妙な依頼が持ち込まれた・・・コナン・ドイル著『赤毛組合』は、書き写しという短期アルバイトの闇を描く」という書き出しだ。「小説でホームズは、風変わりなアルバイトの裏に隠された巨大犯罪をたちどころに見抜いた。怪しい署名簿にはどんな企てがあったのか」と締めくくっている。
『赤毛連盟』のバイトに隠されていた巨大犯罪は、銀行強盗だった。主人が書写のアルバイトで出かけて留守の間に、犯人らは質屋の地下に穴を掘り、隣にある銀行までのトンネルを作って金庫破りをする段取りだった。そのストーリーを知っているネットユーザーからは、「令和の赤毛連盟が掘っていたのは墓穴」というオチも投稿されている。
『赤毛連盟』については、『名探偵ホームズ(1)赤毛連盟』(ポプラ社)など多数の邦訳が出ている。