仮処分申請も急増
ネットは匿名といわれているが、一定のやり方で追跡すると「容疑者の特定」が可能だ。
ネット犯罪に強いことで知られる弁護士は近年、『インターネットにおける誹謗中傷法的対策マニュアル(第3版)』(中央経済社)や、『サイト別 ネット中傷・炎上対応マニュアル 第3版』(弘文堂)などを出版、被害者の支援に熱心だ。
前著には、「東名高速あおり運転事件」のケースも登場する。ネットにデマ投稿した11人が特定され、示談に応じなかった8人に対して民事訴訟が起こされたという。
誹謗中傷への対処が、抗議や訂正・削除・謝罪要求などで収まらないケースは増え続けている。間違った情報に基づくリツイートなども、裁判沙汰になり、名誉棄損などに問われるケースが増えているのが最近の傾向だ。東京地裁が扱ったネット関連の仮処分申請は、08年には35件しかなかったのに、17年には755件に急増しているそうだ。