コロナ禍で仕事ゼロ「どん底」味わった俳優にインタビュー 仕事続けるために必要なのは熱意と「抜け道」

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「俳優一本」よりも「抜け道」を用意して生きる

――今後「俳優」を続けるうえで大事だと思うことは。

河野:これからの時代は俳優業だけに全てを捧げるより、生きるうえで色々な「抜け道」を柔軟に用意することも重要だと思います。副業もその一つです。私は派遣社員としても働いていますし、俳優同士の英語勉強会の主催もしています。
福宮:確かに「俳優だけを極められる人」は羨ましいよね。すごく尊敬する。
私も今、自分が声優として活動するだけでなく、新たに声優を目指す人向けのオンラインレッスンで講師をしています。自分より優れている人、もっと上手に教えられる人はたくさんいると思いますが、そこで尻込みしていたらもったいない。「これが自分だから仕方ないか」と受け止めて、今できる精一杯を何でもやればいいと思っています。どん詰まったときに「思い切ってやる力」は今後も必要になるのでは。
広山:私も外出自粛の間に、オンラインでヨガインストラクターの資格を取りました。役に立つかなと思って。
福宮:何かあったとき、「転んでもただでは起きない力」は大事だよね。
広山:極端な話になるかもしれませんが、やりたいことへの意欲があって、インターネットに接続するための携帯代が払えれば、ひとまず「表現する場」は得られる時代だと思います。私は「リモート女子ドラマ」という、緊急事態宣言中の女4人による映像作品を制作してYouTubeで公開したり、このまま2020年が終わってしまうのは嫌だと思い立って福宮さん、河野さんに「映画を作ろう」と声をかけたりしました。演じることへの意欲と、生きる力を試されているのかなと思った一年でした。
河野:やり方次第だよね。状況に対して、自分の形を変えて順応していくというか。
広山:そうだね。「何かしたい」と思うだけ、周りに期待するだけではなく、自分から行動に移すのが大切。次の仕事や新たな人脈が得られたり、色々な「カッコイイ大人」が手を差し伸べてくれたりして、道が拓けるなと思います。

後編では広山さん、福宮さん、河野さんに「truth」の見どころや制作秘話を聞く。


○プロフィール
河野知美(こうの・ともみ)
迫田公介監督作品『父の愛人』でビバリーフィルムフェスティバル(USA)でベストアクトレス賞受賞。NHK大河ドラマ『西郷どん』や高橋洋監督作品『霊的ボリシェヴィキ』、三宅唱監督作品『呪怨:呪いの家』などに出演。

広山詞葉(ひろやま・ことは)
映画「ファーストラヴ」、ドラマ「最後から二番目の恋」「軍師官兵衛」、舞台「後家安とその妹」など出演。プロデュース作「今夜新宿で、彼女は、」では数多くの女優賞作品賞を受賞。主演映画「ひとつぼっち」本年公開。

福宮あやの(ふくみや・あやの)
2011年声優としてデビュー以降『Marriage Story』、『グッド・ファイト』など多くの作品に出演。2014年にはteam.鴨福を立ち上げ、主宰として毎年朗読劇公演を行っている他、司会やナレーターとしても活躍している。

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