渋沢栄一の生涯を描く、NHK大河ドラマ第60作「青天を衝け」。主演は俳優の吉沢亮さんが務める。2021年2月14日に放送開始すると、さまざまな感想がツイッターに投じられたが、よく見ると「晴天を衝け」「晴天を突く」「青天を突け」と、タイトルの表記が微妙に違っているものが多い。
特に多い書き違いが、「青天」と読みが同じために起こる「晴天」だ。「せいてん」と打つと、まず「晴天」が候補に上がることも原因の一つかもしれない。
青天を「つらぬけ」「憑け」「突く」
J-CASTトレンドは20~60代の男女40人を対象に、大河ドラマ最新作のタイトルを正しく書けるかどうか調べた。
「青天を衝け」と正答できたのは、8人。その中で、吉沢さんのファンだという20代女性は、なぜ「晴天」ではなく「青天」なのか、理由まであわせて答えてくれた。残りは「知っているが誤答(12人)」、「そもそも知らない(20人)」となった。誤答例の一部は以下の通りだ。「青天」だけでなく、「衝け」を誤って覚えている人も多い。
・青天をつらぬけ
・青空を撃て
・青天を憑け
・青天を突く
・晴天を衝く
・青天の霹靂(へきれき)
他にも「青が行く」や「紺碧とか群青とか、そんな感じ」など、「青」以外はうろ覚えとの声があった。誤答者の中には「番組表からチャンネルを変えるときにちらっと見た」、「『麒麟がくる』最終回の次回予告で見た」など、タイトルを「聞いて覚えた」のではなく「見て知った」人がいる。その場合は「青」という文字の印象を強く持つため、「晴天」だとは誤解しにくいのかもしれない。
一方、「そもそも知らない」人の中には「新しい大河ドラマが始まったことすら知らない」派も。21年2月7日で最終回を迎えた「麒麟がくる」が最新作だと答えた人が3人いた。
「若き栄一」が詠んだ漢詩の一節
「青天」も「晴天」も、広義には「晴れた空」の意味を持つ。「青天を衝け」の「青天」には、どんな想いが込められているのか。
NHKの公式サイトには、タイトル命名の背景について「若き栄一が、藍玉を売るため信州に旅したとき、険しい内山峡で詠んだ漢詩の一節からとった」と説明がある。
「勢衝青天攘臂躋 気穿白雲唾手征」
(青空をつきさす勢いで肘をまくって登り、白雲をつきぬける気力で手に唾して進む)