裏切られる国民
以上の例からも分かるように、「自宅療養」も「オンライン診療」も、保険金が出るのは、あくまで「医者の関与」が前提のようだ。
ちなみに、運悪く亡くなった場合はどうか。死亡保険金を受け取れるのは当然だが、先の日経の記事によると、増額の可能性がある。「災害割増特約」といって交通事故や災害、感染症などで死亡した際、死亡保険金に一定額を上乗せする特約がついている場合だ。金融庁の要請もあって、新型コロナも割増金の対象とする保険会社が増えているという。
例えば1000万円の死亡保険金が支払われる定期保険などに最大1000万円の災害割増特約をつけていれば、倍の2000万円が受け取れる。生保大手3社(日生、明治安田、第一)だけでも対象者はおよそ延べ750万人にのぼるという。 それにしても、上記の朝日の記事の例のように、医者に診てもらえない、というのは尋常ではない。ほとんどの人は、多額の国保や健保の支払いを続けているわけだから、国に裏切られたと感じることだろう。
ちなみに、「保険市場」というサイトによると、会社員や公務員が、業務外で感染し、連続する3日間を含み4日以上自宅療養となった場合は、傷病手当金の支給対象となる。業務中に感染したと認定されれば、労災保険から給付金が受け取れるという。
また、「国民健康保険に加入している被用者(給与の支払いを受けている人)」についても、厚労省の指導で、「新型コロナウイルス感染症に感染等して就労することができず給与を受けられない場合、傷病手当金を支給します」(大阪市)としている自治体が多い。