ウェブ会議ツール「Microsoft Teams」の一部で2021年2月12日午前、不具合が発生した。新型コロナウイルスの影響で在宅勤務が浸透し、社内での連絡手段やオンライン会議に利用する人が多いツールで、影響は大きかったようだ。
米マイクロソフトは日本時間15時過ぎ、同社クラウドサービス情報を発信する公式ツイッターで、問題は解消したと発表した。「Teams」に限らず、コロナ禍で浸透したこうしたツールは、これまでもたびたび不具合が生じている。その度にツイッターには、嘆きの投稿が寄せられる。
携帯電話を駆使して乗り切る
「Teamsに障害が出てて午後の会議が中止になった。Zoomにも不具合出たら今日のオンライン会議全滅なんだけど」 「朝から会議に入れなかったのはこのせいだったのね・・・忙しい時とかはダメージデカいだろうな」
問題なく使用できた人が多い半面、今回の不具合で、ツイッター上には仕事に支障が生じたといった書き込みが多数みられた。ほかにも「よりによって卒論発表当日にこれだよ」、「teams不具合かよ。裁判所とのweb会議どうなるんだ」といった影響も出たようだ。
危機回避のため、こんな手法で乗り切った人も。
「Zoomに切り替えてたいした話にならずに済んだので、複数サービス使える状態にしておくのは大事だな...」 「ケータイ電話をスピーカーにしてみんなが聞こえるようにして、さらにケータイの先にケータイを置いて社内の別にいる人にも聞こえるようにして会議した」
AWS、「Gmail」でも昨年障害発生
コロナ禍でリモートワークが広がっている今日、各種オンラインサービスや、これを支えるサーバーはいわば業務の上で命綱だ。一度つながらなくなると、仕事に支障をきたすことは多い。そして、実際に昨年以降何度か起きている。
20年9月、マイクロソフトは、同社の各種サービスとクラウドコンピューティングサービス「Azure(アジュール)」で認証エラーが発生する可能性があると告知した。実際に欧米で警告マークが表示され、世界的規模の障害となった。この際もTeamsや、電子メールソフト「Outlook」などが利用できない状態になり、業務に影響が出た人が増出した。
11月には、米アマゾンのクラウドサービス「AWS」(アマゾン・ウェブ・サービス)の複数のサービスで障害が発生した。AWSを導入している企業は世界中にあり、いまや各種クラウドサービスの根幹を支えるともいえる。
このときも、ツイッターには「家で会議中に突然照明が消えた・・・手が離せなくて真っ暗な中で会議を続けて、よくあるハッカーとかのイメージ写真みたいだった」、「外部へのメール送信が出来ない」など、業務上での打撃に悲鳴があがった。
米グーグルのシステムでも12月、大規模な障害が発生した。メールサービス「Gmail」や動画サイト「ユーチューブ」、地図サービス「グーグルマップ」が一時的に利用できなくなった。日本時間で夜21時台に生じたため、多くが仕事に影響は出なかったものの、中には「Googleシステム障害で仕事できないから帰る」と、切り上げて帰宅を余儀なくされた人も複数いた。