中東料理というと、普段はあまり食べる機会がないかもしれない。一橋大学は、文部科学省の研究プロジェクトの一環で2006年から5年間「アジアのなかの中東 経済と法」というテーマで研究を行い、その公式サイトの中で中東諸国の料理のレシピを公開していた。
ツイッターでは21年2月9日、このレシピを紹介する投稿が1000件以上リツイートされ、話題となっている。「パレスチナ解放機構」の元職員が書き溜め、「元の形や味から離れないよう」にしつつ、日本人の味覚にも合わせたものだ。記者はレシピをもとに、実際に作ってみた。
「ハンバーグ」をナスで巻く
今回作るのはイラクの料理「コフタのロール茄子・トマトソース煮」だ。コフタとは肉団子やハンバーグのようなもので、それをナスで巻く。
レシピ通りに、次の食材を用意した。
牛ひき肉200グラム
タマネギ(みじん切り)1/2カップ
パセリ(みじん切り)1/2カップ
卵1個
パン粉1/3カップ
クミン小さじ1
塩小さじ1/2
こしょう少々
長ナス4本
トマトジュース1缶分(200ミリリットル)
コンソメ(固形)1/2個
クミンはカレーなどでも用いられる香辛料だ。
「コフタ」作りに揚げナス、トマトソースも
まずナス・トマトジュース・コンソメ以外の全てを混ぜ合わせ、「コフタ」のもとを作り、冷蔵庫で30分冷やす。ナスは縦方向で4つに切り、塩に15分着けて水で洗い流す。その後、色がつくまで油で揚げる。
冷蔵庫から「コフタ」のもとを取り出し、厚さ1.5〜3センチ、長さ5〜6センチの棒状に成形。これを250度のオーブンで20分焼いた。
続いてトマトソース作り。鍋にトマトジュースと水2分の1カップを入れ、コンソメが溶けるまで熱を加える。
オーブンで焼き上がったコフタに揚げナスを巻きつけて、トマトソースを投入。焦げ目がつくまで再びオーブンで焼く。焼きあがったら完成だ。
味にクセは全くない!!
出来上がった料理は、エスニックなクミンの香りが漂う。口にしてみると、スパイスが少しきいたハンバーグといった印象で、味にクセは全くない。トロトロに柔らかくなったナスと、トマトソースの相性もよい。
公開されているレシピには、シリア・ヨルダンの料理だという「タッブーレ(パセリのサラダ)」や、「湾岸諸国」の「マシュクール(魚のオニオン詰め)」というものもある。遠い地の料理を日本人の味覚に向けてアレンジしたレシピ、一度試してみてはどうだろうか。