太っていても痩せていても
体脂肪率が低いアスリートや、逆に体脂肪が多い力士などでは、新型コロナウイルスに対してどのようなリスクが存在するか。山澤氏によると、脂肪細胞からは「アディポカイン」という物質が分泌される。体脂肪率が高い人では、このアディポカインが過剰に分泌され、血栓が生じたり、血管や心臓の周囲に炎症が起きたりする可能性がある。
新型コロナウイルス感染症によって炎症が起きると、アディポカインはさらに分泌される。これにより、炎症がさらに悪化するリスクがあると説明した。
痩せている場合も、エネルギーや鉄といった体に必要な物質が不足している可能性がある。これにより身体の機能や免疫機能が低下し、「いろんな病気が治りにくくなる場合がある」とした。
「太っているのもダメ、痩せているのもダメということになるわけです」
では、筋肉量は免疫機能に関係するのだろうか。そう聞くと「体質の要素だけで説明はできません」。「脂肪、筋肉量といった話ではなく、1日の食事の量や環境、普段の過ごし方」といったことも感染防止に非常に重要ではないかと語った。